事前確定届出給与とは?メリットと申請方法

事前確定届出給与というのがあるのを知って調査したときの覚書。

環境: 株式会社、一人社長


1.事前確定届出給与とは?そのメリット

社長(役員)向け賞与。
事前に税務署に届け出をすることで損金に算入できる。


メリット

  • 健康保険は賞与573万円を超えると保険料が掛からなくなる。
  • 厚生年金は賞与150万円を超えると保険料が掛からなくなる。
  • 高額医療費の自己負担上限額が低くなる。
    (高額医療費は月額給与で計算されるから)
  • 必要なら会社から前借りして賞与で相殺すれば決算書に載らないという方法もある。

つまり、月額給与を低くして事前確定届出給与を多めにすると社会保険料を抑えることができる。
「社会保険料削減スキーム」というらしい。

結局、税金対策として事前確定届出給与を考えるなら法人税+所得税+社会保険料で計算するので、税理士に相談して決めた方がいい。

YouTubeで「事前確定届出給与」と検索するとたくさん解説動画が出てくる。
参考: 【注意喚起】事前確定届出給与(役員賞与)による社会保険料削減スキームに潜む落とし穴6選!実はデメリットだらけでオススメ出来ません。。【法人向け/会社経営初心者必見】 - YouTube


とりあえず事前確定届出給与を申請しておいて、実際に全額支給するかしないかを期末に判断する方法もある。
この場合は、株主総会で不支給の決議が必要など税法上やることがある。
参考: 役員賞与(事前確定届出給与)を全額不支給とした場合の取り扱いはどうなる? | 辻・本郷 税理士法人


2.事前確定届出給与の申請方法

e-Taxで電子申告できる。
参考: 申請・届出手続(法人税関係) | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

提出期限: 株主総会の1ヶ月後 or 会計年度開始から4ヶ月後。

株式会社は株主総会の開催が法的義務。
株主総会は決算後3ヶ月以内の開催が法的義務。


その他注意点

  • 役員報酬の変更は会計年度開始から3ヶ月以内。
  • 原則、期中の変更不可。
  • 賞与を実際に支払った際に被保険者賞与支払届の提出が必要。
  • 届出を無視して毎月支払うと給与とみなされる。


3.実際活用するかどうか

今回調べてみて、月額報酬8万円して事前確定届出給与を〇百万円にすることはしない。

一般的な月額報酬のまま、経常利益が増えてきたら、その分を自分へのボーナス(事前確定届出給与)として支払おうと思った。

実際どれくらい手間なのか知りたいので来期やってみる予定。


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