損傷、中毒及びその他の外因の影響2
診療情報管理士の勉強をしているときの覚書。
[S20-S29] 胸部損傷/胸郭損傷
胸郭は胸部に位置し、
12個の胸椎、
12対の肋骨
1個の胸骨
から構成される籠状の骨格の総称。
[S22] 肋骨、胸骨及び胸椎骨折
脊椎圧迫骨折・・・外傷や椎骨の弱まりによる椎骨の崩壊。
健康な人の場合は、射出座席のような垂直的な圧力がかかった場合に起こる。
高齢者に起こる圧迫骨折の殆どが骨粗鬆症に起因している。
参考: 圧迫骨折 - Wikipedia
胸骨骨折・・・頻度は高くなく、交通事故の際に運転者がハンドルで前胸部を強打するなどして生じることが多い。
参考: 胸骨 - Wikipedia
肋骨骨折・・・珍しくない。
合併症として折れた骨で肺に穴が開き気胸(ききょう)、胸腔内に血液が溜まった血胸(けっきょう)が起きる。
参考: 気胸 - Wikipedia
参考: 血胸 - Wikipedia
動揺胸郭・・・二箇所以上で骨折した肋骨は呼吸時の胸腔内圧の変化により通常とは逆の動きをする。
激痛を伴い患者の呼吸を著しく障害する。
参考: フレイルチェスト - Wikipedia
[S26] 心臓損傷
穿通性(せんつうせい)心臓外傷・・・銃刀類による外傷。
心臓に穴が開き血液が流出する。
心タンポナーデは心嚢(しんのう)内に血液が流出した状態。
血胸は胸腔内まで血液が流出した状態。
参考: 心タンポナーデ - Wikipedia
参考: 血胸 - Wikipedia
[S27] その他及び詳細不明の胸腔内臓器の損傷
外傷性気胸・・・胸腔に漏れ出した空気が多く、対側の肺や心臓を圧迫している状態を緊張性気胸という。
この場合、血液循環に支障をきたし心不全、血圧低下へ至る。
[S30-S39] 腹部、下背部(かはいぶ)、腰椎及び骨盤部の損傷
[S32] 腰椎及び骨盤の骨折
骨盤骨折・・・一般的な原因は転倒、交通事故、歩行中に車に当たられた場合、直接の挫傷があげられる。
参考: 骨盤骨折 - Wikipedia
医学的な「ショック」とは、血圧が下がり生命の危険がある状態。
参考: ショック - Wikipedia
[S36] 腹腔内臓器の損傷
脾損傷・・・肝損傷に次いで頻度の高い臓器損傷。
脾臓は造血と免疫機能の役割がある。
参考: 脾臓 - Wikipedia
参考: 脾損傷 - 25. 外傷と中毒 - MSDマニュアル家庭版
肝損傷・・・腹部で最大の実質臓器。
腹部内臓器外傷で最も頻度が高い。
約80%が交通事故などによる鈍的外傷。
膵損傷・・・後腹膜腔に固定されているので損傷を受ける頻度は高くない。
胃損傷・・・内腔が大きく外力に対する抵抗力が大きいため損傷を受ける頻度は少ない。
みぞおちは胃の後ろの横隔膜に張り付いた神経叢(しんけいそう)。痛覚に鋭敏で衝撃で横隔膜の動きが止まることがある。
参考: みぞおち - Wikipedia
十二指腸損傷・・・後腹膜腔にあるため損傷頻度は低い。
小腸損傷・・・交通事故などによる鈍的外傷が多い。
消化液が外に漏れると腹膜炎を起こす。
大腸損傷・・・便が外に漏れると腹膜炎を起こす。
[S37] 腎尿路生殖器及び骨盤臓器の損傷
腎損傷・・・後腹膜腔にあり背筋の手前にあるため相当な力が加わらなければ腎損傷は生じない。
参考: 腎外傷 - 22. 外傷と中毒 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
膀胱損傷・・・多くの場合、骨盤骨折を伴う。
参考: 膀胱外傷 - 22. 外傷と中毒 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
尿道損傷・・・泌尿生殖隔膜を境に前部尿道損傷と後部尿道損傷に分ける。
尿道損傷は通常,男性にみられる。
参考: 尿道外傷 - 22. 外傷と中毒 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
[S40-S49] 肩及び上腕の損傷
[S42] 肩及び上腕の骨折
鎖骨骨折・・・頻度の高い骨折。
全骨折の約10 - 15%を占め、若年者に多く見られる。
参考: 鎖骨骨折 - Wikipedia
上腕骨近位端骨折・・・上腕骨の付け根部分。高齢者の代表的な骨折。
上腕骨骨幹部骨折・・・上腕骨の真ん中部分。若い人でも投球動作で折れることがある。
上腕骨遠位端骨折・・・上腕骨の肘に近い部分。
上腕骨顆上骨折(かじょうこっせつ)は小児に多い。
上腕骨外顆骨折(がいかこっせつ)は幼少年に多い。骨片が転移する。
[S43] 肩甲骨帯の関節及び靭帯の脱臼、捻挫及びストレイン
肩関節脱臼・・・上肢を伸ばして転倒。前方脱臼が多い。
肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)・・・ラグビーや柔道などで肩を下にして転倒し、ねじれの力。
靭帯断裂、鎖骨が上方に脱臼。
[S50-S59] 肘及び前腕の損傷
[S52.0] 尺骨(しゃっこつ)近位端骨折
尺骨は前腕の小指側の骨。
肘頭骨折(ちゅうとうこっせつ)。
成人が肘をついて転倒。
[S52.1] 橈骨(とうこつ)近位端骨折
橈骨は前腕の親指側の骨。
橈骨と上腕骨下端に衝突し、橈骨近位端が折れる。
[S52.2] 尺骨骨幹部骨折/[S52.3] 橈骨骨幹部骨折
尺骨は防御姿勢で前面になるため直接外力を受けやすい。
モンテジア脱臼骨折・・・尺骨の骨折と橈骨頭の前方脱臼が同時に起こる外傷。
参考: 上肢の脱臼・骨折|慶應義塾大学病院 KOMPAS
[S52.5] 橈骨遠位端骨折
コーレス骨折・・・手のひらをついて骨折。
参考: コーレス骨折 - Wikipedia
スミス骨折・・・手の甲をついて骨折。
[S60-S69] 手首及び手の損傷
[S62] 手首及び手の骨折
手根骨(しゅこんこつ)・・・手の根本の8つの骨。
最も親指側に位置する舟状骨(しゅうじょうこつ)は手をついて倒れたときに折れることがある。
中手骨(ちゅうしゅこつ)・・・手の中央部の隠れた部分の骨。英語でMetacarpusという。
指骨(しこつ)・・・英語でPhalanxという。
中手骨と指骨の間の関節はMP関節という。
指骨と指骨の間の関節はIP関節という。
第2関節はPIP関節(近位Proximal+IP関節)、第1関節はDIP関節(遠位Distal+IP関節)
[S63] 手首及び手の関節及び靭帯の脱臼、捻挫及びストレイン
月状骨脱臼・・・月状骨(げつじょうこつ)は手根骨の一つで手の中央に位置する。
手をついて倒れたときに脱臼することがある。
突き指は脱臼、打撲、骨折など広義の損傷。
[S70-S79] 又関節部及び大腿の損傷
[S72] 大腿骨骨折
大腿骨頚部骨折・・・高齢の女性に多い骨折。
骨頭側の血行障害による壊死(無菌性壊死)に注意。
手術後すぐにリハビリすることが認知症などの合併症予防に重要。
地域連携パスが認められた最初の疾患。
参考: 「大腿骨頚部骨折」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
[S73] 股関節部の関節及び靭帯の脱臼、捻挫及びストレイン
股関節脱臼・・・交通事故で前方から外力が加わり、股関節が脱臼することがある。
[S82] 下腿の骨折、足首を含む
膝蓋骨骨折(しつがいこつこっせつ)・・・膝蓋骨は膝の前面を保護している骨。交通事故で前方から外力が加わり骨折した状態。
参考: 膝蓋骨骨折 - Wikipedia
脛骨(けいこつ)骨幹部骨折・・・開放骨折になりやるい。
参考: 脛骨 - Wikipedia
[S90-S99] 足首及び足の損傷
[S92] 足の骨折、足首を除く
踵骨(しょうこつ)骨折・・・高所からの墜落による圧迫骨折。
距骨(きょこつ)骨折・・・距骨は足首にある骨。
体のバランスを保つのに重要な役割。