PostScriptとPDF/Xとプリンタ
手持ちのプリンタで出来るだけ高品質(デザインした通り)に印刷したいと試行錯誤しているときの覚書。
環境: Windows 10 Pro 64bit, Canon カラーレーザープリンタ Satera LBP841C
基本的な用語や仕組みを理解するのにこの本が参考になった。
目次
- PostScript対応プリンタでないと駄目なのか?
- PostScriptとは
- PostScriptからPDF/Xへ
- Adobe PDF Print Engineとは
- で、結局どのプリンタがいいの?
1.PostScript対応プリンタでないと駄目なのか?
A3対応しているカラーレーザープリンタが欲しくてCanon Satera LBP841Cを買った。7万5000円ぐらい。
なかなか色味がデザインした通りにならないと思って調べてたらPostScript対応していないと駄目という情報が。
LBP841CはPostScript未対応。
LIPSというキャノン独自のページ記述言語。
ポスターとパンフレットは印刷業者に発注するけど、A4の広報誌ぐらいは手持ちのプリンタで納品したい。
2.PostScriptとは
Adobe社が開発したページ記述言語(PDL)。
プリンタ側で描画処理をするのでPC側の負担が少ない。
Adobe Illustratorは元々PostScript編集ソフトウェアだったので、そのままプリンタに送信でき、ディスプレイで見たままを紙で再現出来るようになりDTP(Desktop Publishing)が普及した。
PostScriptは透明処理が表現できない。だから昔のillustratorには透明機能がない。
下記サイトの説明が分かりやすい。
Mac OS XではDisplay PostScript(DPS)から発展したQuartzという描画コアエンジンを採用。PostScript対応プリンタであれば専用ドライバ不要で印刷できる。PostScript Printer Description(PPD)ファイルがあればプリンタ情報(フォント、仕様可能な用紙など)をMacが認識してくれて便利になる。
3.PostScriptからPDF/Xへ
PDFは元々PostScriptで書かれたオブジェクトを画面で確認するためのファイル形式。
PostScriptに比べフォントの埋め込みや透明を表現できる。
PostScript + PPDのデバイスに依存する印刷からPDF/Xを使うことによって同じ結果を得られるようになる。
Acrobat DCの「印刷工程」機能で印刷時に問題がないかチェックすることが出来る。
AdobeはPDF/X-4とPDF Print Engineの印刷プラットフォームを推奨している。
4.Adobe PDF Print Engineとは
印刷業者向けの印刷プラットフォーム。
この仕組みを搭載したプリンタは数百万円~数千万円する。
- RICOH Pro 8120S/8110S/8100S / オンデマンドプリンティング | リコー
- キヤノン:オンデマンドプリンター | imagePRESS C10000VP/C8000VP プリントコントローラー
5.で、結局どのプリンタがいいの?
PDF/Xを作ったとしてもプリンタドライバを経由する限り、ページ記述言語に変換される。つまりプリンタ固有の癖が出てしまう。
DTPの仕事があるならPostScript3に対応したプリンタがいい。
対応してない場合は、設定を変えながら最適な設定を見つけ出す作業が必要。
色にこだわるなら数千万円のプリンタを持っている印刷業者に発注する必要がある。
機会があったらPostScript3対応プリンタと今のLIPS LXプリンタで印刷してみて、どれくらい色味の違いをあるか検証してみたい。
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