健康と疾患1
診療情報管理士の勉強をしているときの覚書。
健康とは?
身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態。
参考: 健康 - Wikipedia
検査結果で個人差があるため「正常値」という言葉は使われなくなった。
基準値/標準域という言葉が使われる。
疾病(しっぺい)とは?
健康な状態から逸脱し、その状態が自覚的および他覚的(客観的)に認識される状態。
参考: 病気 - Wikipedia
- 器質的疾患: 病理学的な変化があるもの。
例)直腸癌による便秘 - 機能的疾患: 病理学的な変化がないもの。
例)過敏性腸症候群(ストレス)による便秘
傷病(しょうびょう)とは
病気と外傷を合わせた言葉。
- 内因性疾患: 遺伝、加齢など
- 外因性疾患: 感染症、薬物中毒など
- 外傷: けが
参考: 外傷 - Wikipedia
1.遺伝子・染色体異常による疾患(先天性疾患)
遺伝子の異常が原因になって起きる疾患の総称。
参考: 遺伝子疾患 - Wikipedia
遺伝子病
病的遺伝子で発生するもの。
例)先天性筋ジストロフィーは常染色体劣性形式で遺伝する筋疾患群。
参考: 先天性筋ジストロフィー - Wikipedia
配偶子病
精子、卵子形成時の減数分裂における染色体不分離が原因で発生。
例)ダウン症候群は21番染色体が通常より1本多く存在し、計3本になることで発症。
参考: ダウン症候群 - Wikipedia
胎芽病(たいがびょう)
胎芽期に化学物質/病原微生物/放射線の作用により正常な発生が阻害されることで発生。
例)先天性風疹症候群は風疹ウイルスが胎内にいる胎児に感染する疾患の一群。
参考: 先天性風疹症候群 - Wikipedia
2.加齢と疾病
老化
実質臓器および細胞内の水分量の低下。動脈硬化。
参考: 老化 - Wikipedia
- 実質臓器(固定臓器): 脳、肝臓、腎臓、骨など
- 中空臓器: 血管、気管、腸管など
アポトーシス
多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる。
細胞の自然死。細胞の自殺。
参考: アポトーシス - Wikipedia
例)ウイルスが感染した細胞のほとんどは自殺する(ウイルス増殖を防ぐ)。
例)癌化した細胞のほとんどは自殺する(癌の増殖を防ぐ)。
ネクローシス(壊死)
血行不良や外傷などによる細胞の事故死。
参考: 壊死 - Wikipedia
医療業界では「ネクる」と呼ばれることがある。
3.腫瘍
生体内の制御に反して自律的に過剰に増殖する組織塊。
参考: 腫瘍 - Wikipedia
- 良性腫瘍: 増殖が緩やかで宿主に悪影響を起こさない。
脳腫瘍などは良性腫瘍でも他の組織を圧迫するため切除した方が良い。 - 悪性腫瘍: 宿主の体を破壊しながら宿主が死ぬまで増え続けてゆく。
浸潤(しんじゅん)と転移のほか、悪液質(あくえきしつ)という正常な細胞の栄養を奪う特徴がある。
一般的に「がん」と呼ばれる。
悪性腫瘍
がんは「癌」「肉腫」「血液のがん」の3つに分類される。
ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を表す。
漢字の「癌」は上皮性腫瘍に限定。
- 上皮性腫瘍: 上皮にできる腫瘍。「癌」
例)肺癌、乳癌、胃癌など
参考: 上皮性腫瘍 - Wikipedia - 非上皮性腫瘍:「肉腫」「血液のがん」
例)骨肉腫、白血病、悪性リンパ腫など
参考: 非上皮性腫瘍 - Wikipedia
4.感染症
病原体の感染により宿主に生じる病気の総称。
参考: 感染症 - Wikipedia
感染経路による分類は感染防止のために重要。
接触感染/経口感染/飛沫感染/空気感染/血液感染/母子感染
現在、ほとんどの細菌に何らかの抗生物質が効く。
しかし抗生物質に対する耐性菌の出現や、新規に開発される抗生物質の減少を受けて、抗生物質の代替が研究されている。
参考: 抗生物質 - Wikipedia
またウイルスに対して効く薬は少ない。
ただしいくつかのウイルスには抗ウイルス薬が存在する。
参考: 抗ウイルス薬 - Wikipedia
5.免疫とアレルギー
免疫とは非自己を排除する感染防御機構。
参考: 免疫系 - Wikipedia
白血球の一つであるリンパ球が免疫に関与する。
- Bリンパ球/B細胞: 抗体を介する体液性免疫。
参考: B細胞 - Wikipedia - Tリンパ球/T細胞: 抗体を介さない細胞性免疫。
参考: T細胞 - Wikipedia - ナチュラルキラー細胞/NK細胞: 細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がない。
参考: ナチュラルキラー細胞 - Wikipedia
B細胞が産生する抗体には5種類ある。
参考: 抗体 - Wikipedia
アニメ「はたらく細胞」が参考になる。
免疫不全
免疫機能の機能不全。
先天性および後天性の免疫不全がある。
参考: 免疫不全 - Wikipedia
日和見感染は、免疫不全で健康な状態では感染しない病原体が原因で、発症する感染症。
参考: 日和見感染 - Wikipedia
自己免疫疾患
自己組織を非自己と誤認識する疾患。
全身と特定の臓器を障害するものの2種類ある。
参考: 自己免疫疾患 - Wikipedia
- 全身性: 関節リウマチやSLEなどの膠原病
- 特定の臓器を障害: バセドウ病、1型糖尿病
アレルギー
免疫機能の過剰反応。
参考: アレルギー - Wikipedia
その発生機序により大きく I から V 型に分類される。
- I型: IgEが関与。
例)気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症) - II型: 自己を抗原とする抗体が産生され、自己の細胞が障害される。
例)自己免疫性溶血性貧血 - III型: 免疫複合体が組織を障害する。
例)急性糸球体腎炎 - IV型: T細胞の過敏反応。抗体は関与しない。
例)接触性皮膚炎、ツベルクリン反応
6.代謝調節障害と疾病
ホメオスタシス/恒常性とは、生物において、その内部環境を一定の状態に保ち続けようとする傾向のこと。
参考: 恒常性 - Wikipedia
- 血圧の恒常性
- 体温の恒常性
- 血糖の恒常性
- 免疫の恒常性
7.環境と疾病
環境に適応できない場合や、環境から有害な影響を受けた場合に疾病が生じる。
例)高山病、交通外傷、麻薬中毒、肥満
8.心因反応・心身症・神経症
- 心因反応: 体験が伴って起きる。症状は精神的。
- 心身症: 心理社会的因子が関与して起きる。症状は身体的。
- 神経症: ストレス関連障害など。
生活習慣病
生活習慣が発症原因に深く関与していると考えられている疾患の総称。
糖尿病、脂質異常症、高血圧の3大疾患。
参考: 生活習慣病 - Wikipedia
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態。
日本語に訳すと代謝症候群という。
単にメタボとも言われる。
参考: メタボリックシンドローム - Wikipedia
NCDs/非感染性疾患
Non-communicable Deseases.
心血液疾患、糖尿病、がん、慢性呼吸器疾患の4つ。
WHOが2013年に行動計画を発表。
医療の進歩により感染症による死亡よりNCDsの死因が多く占めるようになった背景がある。
NCDsは全世界の60%。
そのうち発展途上国が80%。