精神及び行動の障害1・2・3
診療情報管理士の勉強をしているときの覚書。
精神の障害とは?
個人に機能的な障害、あるいは苦痛をもたらす、行動あるいは精神的な状態のこと。
ICD-10によれば、症状と苦痛とを組み合わせた機能不全。
参考: 精神疾患 - Wikipedia
うつ病の症状を調べその通りに申告すれば、うつ病と診断されてしまう(詐病)。
精神医学では生活や社会活動などに障害があるかということが重要視される。
器質性精神障害(きしつせいせいしんしょうがい)
一般身体疾患による精神疾患。
参考: 身体疾患による精神障害 - Wikipedia
認知症
ヒトの脳の後天的な器質的障害により、いったん正常に発達した知能・知性が不可逆的に低下する状態。
認知症は70歳以上人口において2番目に多数を占める障害疾患。
参考: 認知症 - Wikipedia
認知症の原因となる主な疾患には、アルツハイマー病などの変性疾患、正常圧水頭症などがあり、これらの原因により生活に支障をきたすような認知機能障害が表出してきた場合に認知症と診断される。
- アルツハイマー型認知症:患者の40~60%。記銘力(新しいことを記憶する能力)障害が強い。
- 脳血管性認知症: 患者の10~30%。脳梗塞など脳の血管に異常が起きた結果、認知症になる。
- レビー小体型認知症: 患者の15~20%。幻視・認知機能の急激な変動などが特徴的な認知症。
せん妄
意識混濁に加えて奇妙で脅迫的な思考や幻覚・錯覚が見られるような状態。
せん妄の特徴として、発現が急性または亜急性であり、症状の発現に浮動性があり、夜間に増加する傾向がある。
参考: せん妄 - Wikipedia
あらゆる種類の錯乱状態を総称する言葉として使用されることもしばしばある。
軽度認知障害(MCI)
正常老化過程で予想されるよりも認知機能が低下しているが、認知症とはいえない状態。
認知症治療薬の効果はないとする研究が多い。
参考: 軽度認知障害 - Wikipedia
認知症の治療
本人は忘れているため幸せそうな場合が多い(判断が難しい)。
介護者には、認知症の介護はもどかしく非常にストレスになることを心理教育し、ネグレクトにならないよう陰性感情を認識させる。
参考: 認知症 - Wikipedia
統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
統合失調症
妄想、幻聴などや、陰性症状と呼ばれる活動性の低下といった症状の複数に合致する精神障害。
発症のメカニズムや根本的な原因は解明されていない。
一部の人々は、完治はしないが寛解するという根拠がある。
患者の生涯自殺率は10%。
参考: 統合失調症 - Wikipedia
日本の精神科病床の数は30万ほどあり、世界でもずば抜けて多く批判されている。
しかしアメリカのホームレスが55万人、日本は6,300人。
日本の精神科の取り組みが一定の評価を受けてもいいのでは?
躁病
躁病は、気分が異常に高揚し、夜も眠らずに、支離滅裂な言動を発したり、危険を顧みなくなるような状態になる期間。
女性だと夜な夜な徘徊して多くの男性と性交渉してしまう場合がある。
参考: 躁病 - Wikipedia
双極性感情障害(躁うつ病)
躁病とうつ病は両方のエピソード(一連の症状の流れ)が少なくとも2回、反復する精神障害。
参考: 双極症 - Wikipedia
電気けいれん療法
両前頭葉上の皮膚に電極をあてて頭部に通電することで、人為的に痙攣発作を誘発する治療法。
精神科ではよく聞く治療法。
8割5分ぐらいは効果が出る。
参考: 電気けいれん療法 - Wikipedia
神経症
神経症とは、精神医学の伝統的な用語で、不安などの不適応行動を特徴とし、入院するほど重篤ではない場合が多い状態。
現在では神経症の語は用いられない。
参考: 神経症 - Wikipedia
パニック障害
予期しないパニック発作が繰り返し起こっており、1か月以上にわたりパニック発作について心配したり、行動を変えているという特徴を持つ不安障害に分類される精神障害。
発作が起こるメカニズムについては、解明がされていない。
参考: パニック障害 - Wikipedia
重度ストレスへの反応及び適応障害
急性ストレス反応
極端な身体・精神的ストレスの反応として出現し、数日から4週間以内に自然治癒する一過性の障害。
より長期にわたって持続している場合は心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。
抗うつ薬の使用は推奨されない。
参考: 急性ストレス障害 - Wikipedia
適応障害
はっきりと確認できるストレス因子により、著しい苦痛や機能の障害が生じており、そのストレス因子が除去されれば症状が消失する特徴を持つ精神障害。
職場のストレスで精神変調があるけども、うつ病ではない場合などに診断される。
参考: 適応障害 - Wikipedia
解離性障害
自分が自分であるという感覚が失われている状態が主となる個々の精神障害。
解離性障害を発症する人のほとんどが幼児期から児童期に強い精神的ストレスを受けているとされる。
動物の死んだフリと同じように本人は自覚なしの防衛的反応(解離性昏迷)。
参考: 解離性障害 - Wikipedia
解離性遁走(フーグ) は解離性健忘に失踪が加わったもの。
路上生活者でみられることがある。
身体表現性障害
身体症状やその訴えを示すが、諸検査で異常がないにもかかわらず本人はそう信じている障害。
例)ビリの子が運動会の前日にお腹が痛くなる。
例)交通事故でむち打ちになり職を失う。むち打ちの痛みが職が見つかるまで続く。
参考: 身体表現性障害 - Wikipedia
生理的障害及び身体要因に関連した行動症候群
摂食障害
食行動の重篤な障害を呈する精神障害の一種。
主に拒食症と過食症の総称である。
ボディビルダーも根本的に似た精神構造だが死なないので病気と診断されない。
参考: 摂食障害 - Wikipedia
成人のパーソナリティおよび行動の障害
妄想性パーソナリティ障害
過度の自尊心があり「陰謀がある」という実証のない解釈に没頭する。
すぐに怒って反撃したり、周りの人間を支配したり、好訴的に訴訟することもある。
参考: 妄想性パーソナリティ障害 - Wikipedia
医療や裁判以外で一般の方が妄想性パーソナリティ障害と決めつけてはいけない。
〇〇パーソナリティ障害と診断するには「子供のころからずっとそうだった」というのが重要。
参考: パーソナリティ障害 - Wikipedia
サイコパスは、精神医学の用語で「反社会性パーソナリティ障害」と診断されるパーソナリティ障害。
習慣及び衝動の障害、性同一性障害、小児期の性同一性障害
性同一性障害
ICD11(2022年)から精神と行動の障害には含まれなくなった。
参考: 性別不合 - Wikipedia
知的障害
通常、18歳以前に診断されIQ(Intelligence Quotient)と生活水準の組み合わせで診断される。
参考: 知的障害 - Wikipedia
IQ = 偏差値x2
例: IQ100 = 偏差値50
つまりIQ200は現実にはあり得ない。
心理的発達の障害
「発達障害」とまとめられることが多い。
参考: 発達障害 - Wikipedia
広汎性発達障害
社会性の獲得やコミュニケーション能力の獲得といった人間の基本的な機能の発達遅滞を特徴。
おおむね生後5年以内に明らかになる。
参考: 広汎性発達障害 - Wikipedia
アスペルガー症候群/小児自閉症
言語発達の遅れがあるのが小児自閉症。
言語発達の遅れがないのがアスペルガー症候群。
社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強いといった特徴を持ち、多くが精神遅滞を伴う。
3歳までに特徴が現れる。
参考: 自閉症 - Wikipedia
多動性障害
多動性や衝動性、不注意を症状の特徴とする神経発達症(発達障害)
広汎性発達障害によく合併する。
023年現在、決定的な原因は不明とされている。
参考: 注意欠如多動症 - Wikipedia
行為障害
反復して持続的な、反社会的、攻撃的、また反抗的な行動パターンを特徴とし[1]、年齢相応の社会規範や規則を大きく逸脱している状態。
参考: 行為障害 - Wikipedia
病名が付くことで医療だけでなく児童福祉の介入がしやすくなる。
病名が付かないと教育の分野で対応を迫られてしまう。
チック障害
チック(突発的で、不規則な、体の一部の速い動きや発声を繰返す状態)が一定期間継続する障害。
睡眠中は消失する。
身体障害か精神障害か難しいが今は精神障害として扱われている。
参考: チック症 - Wikipedia