損傷、中毒及びその他の外因の影響3

診療情報管理士の勉強をしているときの覚書。


[T36-T50] 薬物、薬剤及び生物学的製剤による中毒

基本的処置法

  • 未吸収の場合: 吸収阻止(胃洗浄、下剤と吸着剤の投与など)
  • 吸収された場合: 排泄促進(強制利尿、血液透析など)、解毒剤の投与、対症療法、生命維持療法


[T39] 非オピオイド系鎮痛薬、解熱薬及び抗リウマチ薬による中毒

オピオイド系はモルヒネなどの麻薬のこと。
オピオイド系ではない麻薬もあるのでイコールではない。
参考: オピオイド - Wikipedia

非オピオイド系鎮痛薬は「麻薬でない鎮痛薬」のこと。
代表的なものにNSAIDs(エヌセイド)がある。
参考: 非ステロイド性抗炎症薬 - Wikipedia

アスピリンは代表的な解熱鎮痛剤の一つ。
NSAIDsの代名詞というべき医薬品。
有名な市販品は「バファリン」。
小児は副作用のためアスピリンは使われない。
参考: アセチルサリチル酸 - Wikipedia

アセトアミノフェンはアスピリンの代わりに小児の解熱・鎮痛剤として使用される。
NSAIDsではない。
小児用バファリンはアセトアミノフェン。
参考: アセトアミノフェン - Wikipedia


[T42] 抗てんかん薬、鎮静・睡眠薬、及び抗パーキンソン病薬による中毒

バルビツレート(バルビツール酸)・・・1950年代半ばまで、鎮静剤や睡眠薬として実質的に唯一の薬であった。
耐性と依存性があるため、現在では推奨されていない。
致死量が催眠量の6倍のため危険。
参考: バルビツール酸系 - Wikipedia

ベンゾジアゼピン・・・現在よく使われている睡眠薬。
アルコールと同時摂取で中毒の危険性あり。
参考: ベンゾジアゼピン - Wikipedia


[T43] 向精神薬による中毒、他に分類されないもの

三環系及び四環系抗うつ薬・・・けいれん、昏睡などの中枢神経作用や心臓への作用がある。
抗うつ薬の有効性が議論されている。
参考: 抗うつ薬 - Wikipedia

フェノチアジン系抗精神病薬及び神経抑制薬・・・統合失調症に使われる薬。
精神安定作用、錐体外路症状(よだれ、手の震えなどの障害)。
参考: 抗精神病薬 - Wikipedia


[T51-T65] 薬用を主としない物質の毒作用

[T51] アルコールの毒作用

エタノール・・・アルコールの一種。酒精。エタノール中毒による死亡のほとんどは誤嚥による窒息死。
参考: エタノール - Wikipedia

メタノール・・・アルコールの一種。人体に有害。視力障害をおこす。
参考: メタノール - Wikipedia


[T52] 有機溶剤の毒作用

石油製品・・・石油を誤飲したときに気を付けるべきは科学性肺炎。
肺に入らないように胃洗浄や吐かせてはいけない。
処置法は吸着剤と下剤の投与。


[T54] 腐食性物質の毒作用

腐食性の酸類・・・バッテリー液(硫酸)、トイレ用洗浄剤(塩酸)、ガラス工芸用溶剤(フッ化水素酸)
腐食性のアルカリ類・・・タイル用洗浄剤(水酸化ナトリウム)

誤飲した場合は粘膜の腐食、胃穿孔(いせんこう)を起こす。
吐かせてはいけない。牛乳や水を飲ませて希釈する。


[T55] 石鹸及び洗浄剤の毒作用

ジェルボール型洗剤は子供が誤飲する可能性があるため注意。
応急処置は、吐かせず牛乳や水を飲ませる。


[T56] 金属の毒作用

水銀・・・消化管からは吸収されない。
水銀は20度で気化し、蒸気は毒性が高い。

水俣病の水銀はメチル水銀で水銀原子にメチル基が結び付いた化合物。
参考: メチル水銀 - Wikipedia

金属ヒューム熱・・・金属蒸気を吸入することにより発生する症状。
参考: 金属ヒューム熱 - Wikipedia


[T58] 一酸化炭素の毒作用

一酸化炭素自体は無味無臭。
灯油の不完全燃焼、自動車の排気ガスで発生。
赤血球内のヘモグロビンと酸素より親和性が高いため、脳や臓器への酸素供給不足になる。
参考: 一酸化炭素中毒 - Wikipedia


[T60] 農薬の毒作用

有機リン・・・殺虫剤、医薬品、神経剤に使用される科学物質。
有機リン中毒は、開発途上国の農業地域での自殺未遂による場合が最も一般的。
参考: 有機リン中毒 - Wikipedia

除草剤・・・人に対しても毒性が強い。
参考: 除草剤 - Wikipedia


[T61] 海産食品として摂取された有害物質の毒作用

麻痺性貝毒・・・プランクトンを摂取した貝が毒化する。

フグ・・・フグ毒による事故では致死率が5.7%と言われており、他の食中毒よりも圧倒的に致死率が高い。
神経毒であるテトロドトキシンが尿とともに排出しきって呼吸困難が収まるまで人工呼吸器を繋げることが唯一の治療法。
参考: フグ - Wikipedia


[T62] 食物として摂取されたその他の有害物質による毒作用

アマトキシン類・・・食後6~24時間後にコレラ様の症状(おう吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり、その後24~72時間で内臓の細胞が破壊され、死亡する場合がある。
参考: 自然毒のリスクプロファイル:ドクツルタケ(Amanita virosa) テングタケ科テングタケ属


[T63.0] ヘビ毒

日本で強い毒を持っているのはハブとマムシ。
ヤマカガシは全国に分布。本来大人しい。2種類の毒を持つ。
参考: ヤマカガシ - Wikipedia


[T63.4] その他の節足動物の毒

ハチ・・・スズメバチは攻撃性が高い。
アナフィラキシーショックによる死亡する場合がある。
防護服を着ていても針が貫通し刺される場合がある他、呼吸孔から顔へ毒液を飛ばす場合もある。
目に入ると失明する他、皮膚に触れると炎症を起こす。
経口摂取した場合は無毒であることが明らかになっているがそのメカニズムは未だ解明されていない。
参考: スズメバチ - Wikipedia


[T63.5] 魚類との接触による毒作用

オニダルマオコゼ・・・背ビレに毒腺をもつ。
本種は積極的に人間を襲うことはないものの、岩や砂に紛れて存在するため、存在に気がつかずに誤って踏んでしまうケースが多い。
参考: オニダルマオコゼ - Wikipedia

ミノカサゴ・・・背ビレを中心に毒。
死亡例もある。
攻撃的な魚で水中撮影などでしつこく追い回すと激昂、人に向かってくることがある。
参考: ミノカサゴ - Wikipedia


[T65] その他及び詳細不明の物質の毒作用

タバコおよびニコチン・・・子供がタバコを食べるケース。

加熱式たばこ・電子タバコ・・・メーカーは副流煙が出ないと宣伝しているが、日本呼吸器学会は否定。
子どもが誤飲しやすいという危険性。
参考: 加熱式たばこ - Wikipedia


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