消化器系の疾患1・2・3・4
診療情報管理士の勉強をしているときの覚書。
逆流性食道炎
胃酸や十二指腸液が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し粘膜にびらん・炎症を引きおこす疾患。
加齢による下部食道括約筋の働きの低下と食道自体のぜん動運動と唾液の減少、食道裂孔ヘルニアによる逆流防止機構の破壊、一過性LES弛緩、腹圧の上昇による胃内圧の上昇などの要因により、胃食道逆流をきたしやすくなる。
参考: 逆流性食道炎 - Wikipedia
バレット食道
下部食道の粘膜が扁平上皮から円柱上皮に変化したもの。
癌の発生率が高く、欧米では食道癌の50%~70%が食道腺癌。
参考: バレット食道 - Wikipedia
胃炎
胃に起きる炎症。
最も一般的な症状は腹部心窩の疼痛である。
急性胃炎/慢性胃炎/機能性胃腸症の3つに分けられる。
参考: 胃炎 - Wikipedia
慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリへの感染がほとんど(B型胃炎)。
胃癌リスクが上昇する。
胃潰瘍/十二指腸潰瘍
胃の内面、小腸の最初の部分、ときには食道下部における潰瘍を指す。
ヘリコバクター・ピロリ保菌者が多く、比較的若年者に多い。
参考: 消化性潰瘍 - Wikipedia
- びらん: 組織欠損が粘膜にとどまる。
参考: びらん - Wikipedia - 潰瘍: 組織欠損しその下層の組織に至った状態。
参考: 潰瘍 - Wikipedia
薬物療法の進歩とピロリ菌除菌による再発減少が多い。
急性虫垂炎
虫垂内部で細菌が増殖し炎症を起こした状態。
虫垂に異物などが貯留し、細菌が繁殖することで管腔内圧が上昇し、心窩部(しんかぶ:胸とへその間にあるみぞおちの部位)の鈍痛という形で関連痛が発生する。
参考: 虫垂炎 - Wikipedia
虫垂炎は盲腸と呼ばれていた時期があり、これは昔、診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に貼り付き、あたかも盲腸の疾患のように見えることがあったためである。
急性虫垂炎は急性腹症の中で最も頻度の高い疾患。
ヘルニア
体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態を指す。
参考: ヘルニア - Wikipedia
一般的に多いヘルニア
- 鼠径ヘルニア: 全ヘルニアの80%。睾丸が腹腔内に入ったり出たりする通路に腸が入り込んで起こる(脱腸)。
- 臍ヘルニア: でべそ
- 椎間板ヘルニア: 椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態。
- 食道裂孔ヘルニア: 食道裂孔(横隔膜にある食道が通る穴)よりも挙上するべきでない胃の一部が胸腔内へ逸脱した病態。
炎症性腸疾患
消化管に炎症をおこす慢性疾患の総称。
潰瘍性大腸炎、クローン病の2疾患からなる。
厚生労働省の指定難病。
参考: 炎症性腸疾患 - Wikipedia
大腸粘膜に潰瘍やびらんが多発する。
はっきりした原因はまだわかっていない。
潰瘍性大腸炎
主に大腸粘膜に炎症などにより潰瘍やびらんができる原因不明の非特異性炎症性疾患。
10年経過した慢性持続型は発癌率が高い。
薬物療法が基本。
便移植療法(健康な人の腸内細菌を対象患者の消化管に移植)の効果が研究されている。
参考: 潰瘍性大腸炎 - Wikipedia
安倍晋三氏が機能性大腸炎で内閣総理大臣の任期途中で辞任。
クローン病
口腔から肛門までの全消化管に、非連続性の慢性肉芽腫性炎症を生じる原因不明の炎症性疾患。
男性で20〜24歳が最も多くみられる。
難治性痔瘻(じろう)などの特徴的な肛門病変が見られる。
現在では完治させることは不可能。
参考: クローン病 - Wikipedia
腸閉塞症/機能的閉塞(イレウス)
機械的(物理的)または腸粘膜の機能的(腸管麻痺)閉塞によって消化物の正常な動きが妨げられる病気。
急性の激しい腹痛による入院の5%~15%が機械的な閉塞が原因である。
参考: 腸閉塞症 - Wikipedia
腸重積症
小腸が大腸の中に入り込んでして腸閉塞を発症する病気。
主に0〜3歳までの乳幼児に多く発症。
まれに成人でも腫瘍が原因で発症する。
嘔吐から始まり、イチゴゼリー状またはトマトケチャップ状の粘血便(下血)が出る。
参考: 腸重積症 - Wikipedia
大腸憩室症
大腸の腸管内壁の一部が腸管内圧の上昇などの要因により袋状に腸壁外に突出した憩室が生じている状態。
比較的高齢者に多い病気。
大腸検査を行うと10%くらいの頻度で見つかる。
参考: 大腸憩室症 - Wikipedia
裂肛(れっこう)
便秘などが原因で硬い便が出た場合などに、肛門部が切れることによって生じる。
歯状線よりも外側には痛覚があるため、排便時に鋭く強い痛みが起こることが多い。
裂肛の治療中は、肛門周辺を清潔にしておくことが望ましい。
参考: 裂肛 - Wikipedia
痔瘻(じろう)
肛門の周辺に穴ができて、そこから膿が出る疾患。
肛門部に膿のトンネル(瘻管)が出来た状態。
完治のためには手術が必要である。
参考: 痔瘻 - Wikipedia
腹膜炎
腹膜の炎症を指す。
急性のものは、胃・腸・虫垂・胆嚢・膵炎などの炎症・穿孔などにより、腹膜が細菌に感染する。
慢性のものは、結核が原因のことが多い。
参考: 腹膜炎 - Wikipedia
腹部を圧迫した手を急に離すことで周囲に痛みが響くのをブルンベルグ徴候という。
急性肝不全(劇症肝炎)
発症後8週間以内に高度の肝機能異常、肝性昏睡II度以上を来たし、プロトロンビン時間が40%以下であるものを指す。
B型肝炎ウイルス性が41%。
ウイルスを強力な免疫反応により短期間に一挙に破壊すると、肝細胞も破壊されるため肝不全となる。
参考: 肝炎 - Wikipedia
肝硬変
肝細胞が繰り返し大量に死んで減少し、その補修の際に線維組織によって置換された結果、肝臓が硬く変化した状態。
肝硬変は慢性肝疾患の終末像で不可逆的な病変であり、その先に待っているのは肝不全に引き続いての死である。
肝硬変になった肝臓は肝がんを発症しやすい状態。
参考: 肝硬変 - Wikipedia
胆石症
肝臓から分泌される、胆汁の成分が固まって胆嚢内・胆管内に溜まった状態。
胆石を保持している人の約80%は、症状のない無症状胆石。
参考: 胆石 - Wikipedia
胆嚢炎
胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆嚢の炎症。
急性胆嚢炎は約9割が胆石による。
参考: 胆嚢炎 - Wikipedia
胆管炎
胆管の炎症。
尿路感染症、肺炎とならぶ高齢者の発熱の原因の一つ。
シャルコー(Charcot)の3徴: 発熱、黄疸、右上腹部痛。
参考: 胆管炎 - Wikipedia
胆道内圧上昇により胆汁内の細菌や内毒素が血中・リンパ流中へ移行すると、敗血症などの致死的状態に進展しやすい。
急性膵炎
膵臓に急性に炎症が生じた膵炎。
原因としては、アルコールと胆石が2大成因とされている。
参考: 急性膵炎 - Wikipedia
慢性膵炎
慢性的に膵臓に炎症をきたすことで生じる膵炎。
膵線維化と膵管狭窄を伴う永続的な形質的障害を引き起こし、ホルモン分泌機能の減退が生じる。
飲酒と喫煙が最大の要因。
膵癌の発症リスクが上昇。
参考: 慢性膵炎 - Wikipedia
膵嚢胞(すいのうほう)
膵臓に嚢胞(液体の入った袋状の病変)ができる。
ほとんどの場合、自覚症状はなく、健康診断などで偶然見つかることが多い
参考: 嚢胞 - Wikipedia
嚢胞(のうほう)とは、分泌物が袋状に貯まる病態のこと。